2022年9月27日作成 鍼灸師 榊原義盛

便秘とは

 おなかの張り不快感腹痛イライラ。便秘は本当に憂鬱なものです。おなかがポッコリ出るのも気になりますし、毒素が体外に排出されにくいため肌荒れやニキビなどの原因にもなります。できるだけ早く治したいものですね。

慢性の便秘や便秘と下痢を繰り返す人

 慢性の便秘や、便秘下痢を繰り返しやすい人などは鍼灸治療によって症状の緩和や体質の改善が見込めます。

便秘の症状

 排便の回数や量が正常な状態に比べて減ることにより、腸内に便が溜まっておなかの張りを感じます。全身の倦怠感イライラ食欲不振などをともなうことが多く、ひどい場合は腹痛頭痛めまい吐き気などの症状もみられます。

肌のトラブルは便秘?

 便が長時間体内にとどまることにより、本来便とともに排泄されるはずの毒素腸内の老廃物が再吸収されてしまうため肌トラブルなどの原因になります。また便が長時間圧縮されることによって硬くなり、などの原因になる場合もあります。

便秘とお薬

 腹筋力の低下精神的ストレスなどによる自律神経の乱れ、下剤・浣腸の乱用による直腸反射の弱りなどが便秘の主な原因となります。便秘薬などを常用していると、薬なしでの自然な排便がしにくくなるので要注意です。

便秘の治療法(セルフケア編)

 セルフケアとしては、起床時に白湯を飲んでおなかを温める、下腹部をマッサージする、植物性繊維を積極的に摂取する、よく運動するなどの方法があります。

便秘の治療法(セルフケアツボ編)

 神門(しんもん)足三里(あしさんり)のツボをじぶんでマッサージしても一定の効果が期待できます。また大腸兪のあたりにカイロを入れて温めるのもいいでしょう。

便秘の治療法(鍼灸治療編)

 鍼灸治療では主に腹部の大巨(だいこ)、背中の大腸兪(だいちょうゆ)小腸兪(しょうちょうゆ)中脘(ちゅうかん)天枢(てんすう)などのツボに対して指圧やお灸などで刺激を与えていきます。

便秘に有効なツボの位置

  • 神門(しんもん)・・・手首の横ジワの小指寄りの端にあるくぼみのツボ
  • 足三里(あしさんり)・・・膝蓋骨の下、外側のくぼみから親指の幅3本分下がった部位のツボ
  • 大巨(だいこ)・・・おへそから指2本分外側(天枢)の指2本分下にあるツボ
  • 大腸兪(だいちょうゆ)・・・背中側、腰の左右にある大きな腸骨の両側で、体の中心線から親指の幅1本分半の外側にあるツボ
  • 小腸兪(しょうちょうゆ)・・・仙骨の一番上にあるくぼみと同じ高さで、背骨の両側にあるツボ
  • 中脘(ちゅうかん)・・・みぞおちとおへそを結んだ線の中間点にあるツボ
  • 天枢(てんすう)・・・おへそから指2本分外側にあるツボ

便秘に期待できる鍼灸治療の効果

 自律神経を整え、腸の働きをよくすることで自然なお通じを促します。
治療を続けることによって自然な排便を習慣づけることも可能です。

消化器内科医 石井洋介先生の便秘対策

便秘(福島ドクターズTV)

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