冷え性の症状は、どうして起こるの

 寒さが増してくると「手足や足先が冷たくなる」「一旦冷えると温まりにくい」と訴える人が多くなります。「毎年のことだから…」と諦めている人、冬でなくても同様の症状で困っている人、原因や予防法、対処法を知って早めに改善しましょう。

人が体温を保つ仕組み

 人間はもともと体温が大きく変動する動物ではなく気温が変化しても一定の体温に保とうとする恒温動物です。私たちの体は血流の流れる量を変化させたり、汗を書いたりすることで、体温を一定に保つように調整されています。
 例えば皮膚から寒さを感じるとしますその情報が脳の自律神経の中枢の視床下部に伝えられここから体温を一定に保つように指令が出されます。すると血管を縮めて血液はあまり流さないようにすることで、肌表面の温度を低く保ち、体内の熱を外に逃がしにくくします。また寒いと自然に体が震えますがこれは筋肉をふるわせて体温を上げようとする反応です。
 逆に暑くて体温が上がりそうなときには血管を広げてたくさんの血液を流す皮膚の表面温度を上げて熱を出したり汗をかいたり熱を逃したりするように調整されているわけです。

冷え性のタイプ

  1. 末端冷え性タイプ(レベル1)
  2. 内臓冷え性タイプ(レベル2)
  3. ほてり冷え症タイプ(レベル3)
  4. 全身冷え性タイプ(レベル4)

末端冷え性タイプ(レベル1)

・手先・足先が冷たい
・爪が折れやすい
・肉や魚をあまり摂らない
・運動不足
・適度なダイエットをしている
・水虫がある
手足の末端が冷える典型的な冷え性です。体を温める食事を心がけ、日頃から軽い運動を取り入れましょう。

内臓冷え性タイプ(レベル2)

・胃腸が弱い
・筋肉が少ない
・夕方になると足が浮腫む
・夜中によくトイレに起きる
・生理痛が酷い
・薄着が多い
主に下半身が冷えるタイプの冷え性です。腹巻や靴下の重ね履き、足を使う運動をして下半身が冷えないようにしましょう。

ほてり冷え性タイプ(レベル3)

・手先・足先が冷たい
・顔がほてる
・イライラしやすい
・眠りが浅い
・生活が不規則である
・手のひらが白(赤・青)っぽい
末端冷え性や内臓冷え性が進行したタイプの冷え性です。ほてり冷え性の主な原因は、自律神経の乱れから来ていると言われているため、ストレスを解消しリラックスする時間を作ることが大切です。

全身冷え性タイプ(レベル4)

・胃腸が弱い
・肩がこる
・貧血気味
・体温がいつも36度以下
・朝起きるのがつらい
・あまり汗をかかない
常に低体温で1年中寒さを感じるタイプの冷え性です。たんぱく質をしっかり摂りバランスの良い食事を心がけ運動不足を改善しましょう。放っておくと病気につながることもあります。

冷え性の原因

 冬場にある程度手足や足先がつめたくなるのは当然のことです。ところが外気温によって冷やされる程度ではなく、手と足の先端がかなり温まりにくく、慢性的に冷えているような感覚があるときに冷え性と呼びます。夏なのに体が冷えている、あるいは体が冷たいと感じている症状などもそうです。体の中から冷えるため少し体を動かした位ではなかなか暖まらないのです。冷え性は本来働くべき体温調整機能がうまく機能していない状態です。

冷え性の主な原因

  1. 自律神経の乱れ
  2. 皮膚感覚の乱れ
  3. 血液循環の悪化
  4. 筋肉の量が少ない
  5. 女性ホルモンの乱れ

自律神経の乱れ

 ストレスや不規則な生活などにより体温調節の命令を出す自律神経がうまく機能しなくなります。また常に室内の空調が効いていると、室内外の温度差が激しくなるため、自律神経機能が乱れます。こうして夏でも冷え性になるのです。

肌感覚の乱れ

 きつい下着や靴などで体を締め付けたりすると血行が滞り、寒いと感じる皮膚感覚が麻痺することがあります。そのため体温調節の指令が伝わりにくくなってしまいます。

血液循環の悪化

貧血、低血圧や血管系などの疾患がある人は血流が滞りがちになります。

筋肉の量が少ない

 女性は男性に比べて筋肉が少ないため筋肉運動による発熱や血流量が少ないことも女性に冷え性が多い原因の1つと考えられています。また女性だけなく、運動不足の人も総じて筋肉量が少ないため冷えやすくなります。

女性ホルモンの乱れ

 ストレスが多かったり、更年期になったりすると女性の心身をコントロールする女性ホルモンの分泌が乱れ血行の悪化などを促進することがあります。

手足に特に冷えを感じるわけは

 私たちの体は重要な臓器が集まる体の中心部を一定の温度に保とうとしています。特に寒い時は体の中心部に血液を集めて体温を維持しようとします。そのため末端である手足や足先には血流が行き渡りにくくなり温度が下がりやすくなって冷えを強く感じるようになるのです。

隠れた病気があることも

 手足の冷え(冷え性)は寒さや血行不良が大いに関係するのですが様々な対策を講じても治りにくい場合には他の病気が隠れているケースもあります。低血圧や貧血、膠原病や甲状腺機能低下症などが考えられるほか、手足の動脈が詰まって血行障害を起こすASO(閉塞性動脈硬化症)は運動不足やタバコの吸いすぎなどの人が人に多く見られます。
 またレイノー病、バージャー病、全身エリテマトーデス(SLE)などにも、手足冷え(冷え性)に似た症状が現れます。

手足の冷え(冷え性)になったらどうする?

 手足の冷え(冷え性)の改善には、体を温める、食べ物を取る、適度な運動することが大切です。特に血液の流れを促進する効果などが期待できるビタミンEを摂取することおすすめです。手足の冷えの奥には病気が潜んでいることもあります。たかが冷えと放置せずなかなか冷えが取れないなどの症状が続くようであれば受診するなどきちんとした対策をしていきましょう。

医療機関で受診をお勧めする場合

 次のような症状が認められる場合は他の病気が隠れている可能性があります専門家に相談しましょう。
・手足だけでなく全身がむくんでいる時
・はっきりした原因が特定できないのに冷えがひどい、極端に冷えていると感じる時
・夏に空調が効いている、効いていないにもかかわらず冷えがひどく、全身の重だるさが回 復しない時
・氷や冷たい水などに触れたときあと冷えが治らず、血の気がなくなったとき

血行良くするビタミンの働き

ビタミンEには末端の血行障害を改善する働きがあります。体の隅々にまで血液を行き渡らせる効果に優れているため、冷えで悩む人にとって必須とも言えるビタミンです。またビタミンEにはホルモン分泌を調整する作用もあるので自律神経の乱れを改善するにもひと役買います。
1.ビタミンEは赤血球を柔軟に変形するものするのを助け細い血管の中を取りやすくして血流の流れを良くします。
2.血小板が血管の壁に貼りついたり凝縮したりすると血行が悪くなります。ビタミンEにはそれを抑え血管内で血が固まってしまうのを防ぐ効果があります。
3 .LDL (悪玉)コレステロールの酸化を防止し血管の機能を維持します。

薬の選び方と注意点

 手足の冷え(冷え性)を改善するには、様々な種類があります。血行を改善してくれるビタミンCなどを配合した飲み薬などがありますので、症状に合った成分が配合されているものを選びましょう。
 また漢方薬としては加味逍遥散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、その他製薬としては人参、桂枝、地黄などが冷えによる体質改善を図る効果が高いと言われています。

男性の冷え性が増加傾向にあります

 冷え性は女性特有のものと思われがちですが、男性の冷え性も増加しているので注意が必要です。冷房の効きすぎた室内で長時間仕事をしていると自律神経がうまく機能しなくなります。ストレスや生活習慣の乱れも自律神経の機能を低下させます。男性はもともと女性より筋肉の量は多いのですが運動不足で筋肉が減少している人も少なくありません。冷え性が進んだ場合ED (勃起不全)なども誘発しますので女性同様、早めの対処が心がけたいものです。

冷え性を予防するには?

 手足の冷え(冷え性)は、寒い季節にひどくなります。本格的な寒さが到来して血行不良になってしまう前に予防策を講じておきましょう。

体が冷えると良くないこと

 冷えは万病の元と言う位放置しておくと、頭痛、腰痛、肩こり、生理不順、肌荒れなど様々な体の不調を引き起こすと言われていて東洋医学では特に重要だと考えられています。高血圧の人は暖かい部屋から寒い外へ出ると急に血圧が上昇すると危険なこともあります。日ごろから予防を心がけておく事は健康維持につながります。

体の内側から温めてビタミン補給を

 冷えを予防するには体を内側から温め血行良くし自律神経をきちんと機能させておくことも大切です具体的には以下のことを心がけましょう。
1.体を温め血行を良くする食事をとる。
2.生活習慣を改善する。
3.筋肉量をアップさせましょう。

体を温め血行を良くする食事

体を冷やさないような冷飲食や栄養のバランスが偏りがちなインスタント食品などの食べ物は控えビタミンE、ビタミンC、ビタミンB1、パントテン酸、良質のタンパク質などを積極に的に摂りましょう。
・ビタミンE……末梢の血管を拡張させ血行良くし女性ホルモンの分泌を調整します。
  うなぎ、アーモンド、落花生、卵黄など
・ビタミンC……貧血の予防になる鉄分の吸収を促進し毛細血管の機能を保持しています。
  柑橘類、緑黄色野菜など
・ビタミンB1……代謝を促進し体を動かすエネルギーを産生する。
  豚肉、大豆、卵など
・パントテン酸……代謝を促進し自律神経を活性化させます。
  レバー、大豆など
・良質のタンパク質……熱エネルギーとなり神経機能を保持する。
   大豆製品、魚など

身体を温める食べ物

寒い地域で取れる食べ物や冬が旬の食べ物には身体を温める性質があります。
カボチャ、ニンジン、ゴボウ、生姜、唐辛子、鮭、まぐろ、サバ、イワシ、味噌、醤油など

身体を温める飲み物

茶葉を発酵させて作る飲み物や色の濃い飲み物は、身体を温める性質があります。
紅茶、ほうじ茶、ウーロン茶、赤ワイン、日本酒など
※コーヒーは濃い色をしていますが、ブラジルなどの暑い地域で取れるもので身体を冷やす飲み物になります。

生活習慣を改善する

・熱めの風呂にさっと入るのではなく38度~40度位のぬるま湯をゆっくりとつかる方が体の中からじっくりと温まります。足湯で足首から下の部分にゆっくりとつかることも効果的です。
・頭寒足熱を心がけましょう。下半身を厚着にして上半身は首周り以外、比較的薄着を心がける。暖房やエアコンより下半身を温める床暖房やコタツの方が理想的です。
・無理なダイエットしないようにしましょう
・血液の循環を悪くするタバコは控えましょう
・規則正しく生活して十分な睡眠をとりストレスをためないようにしましょう
・血液の流れを良くするため体を締め付けない衣服や靴にしましょう。

筋肉量をアップさせましょう

1日30分以上歩きましょう
・足には一般的に全身の約7割の筋肉が集中しているので特に下半身を動かすストレッチやスクワット運動などの筋肉のトレーニングなどが効果的です
・適度な運動は筋肉量アップとともに自律神経の機能を高める効果もあるので習慣にしましょう。

参考HP

薬と健康の情報局
DRUGユタカ

鳥取看護大学 前田陽子先生による冷え性対策

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