眼精疲労とは
眼精疲労とは休んでも回復しない目と全身の症状です。目を使う作業を続けることにより、目だけでなく全身に症状がでます。休息や睡眠をとっても十分に回復しない状態が眼精疲労です。
ピントを調整する毛様体筋は自律神経によって支配されているため、目を使いすぎて毛様体筋が疲れると自律神経バランスが崩れて全身に症状が現れると考えられています。
眼精疲労と疲れ目の違い
眼精疲労と疲れ目は同じものだと思われがちですが、実は違います。疲れ目は一時的なもので、休息や睡眠をとれば自然に回復し、身体への悪影響もほとんどありません。一方眼精疲労は、眼痛やかすみ、充血といった目の症状以外に身体の別の部位にも影響を及ぼし慢性的に頭痛や肩こりなどの症状が現れることもあり休息や睡眠では回復しません。
慢性疲労の原因は多岐にわたりますが、そのうち眼の筋肉の疲労であるコリが原因で起こることがあります。
眼精疲労信号チェック
目の症状編
- 目が重い
- しょぼしょぼする
- 最近視力が落ちた
- まぶたが痙攣することがある
- 目がかすむ
- 目が乾く
- 夕方から近くが見えづらい
身体の症状編
- 肩こりがひどく、肩が張っている
- 頭痛・片頭痛を感じる
- 頭全体に圧迫感のようなものがある
- 頭が重い感じがする
- 後頭部・首痛が痛むことがある
- 鼻の付け根や額にかけて違和感がある
視環境編
- パソコンを毎日長時間使用する
- 満員電車や暗い場所で読書する・スマートフォンをよく使う
- 眼鏡やコンタクトレンズの度数を何年も変えていない
眼精疲労信号チェック 結果
チェックが0~1あてはまる方
眼精疲労はなさそうです。
あまり眼は疲れていないようです。この状態を保つように心がけてください。
チェック2~4あてはまる方
注意!油断しないように
目に疲れを感じることがありませんか?現在の症状が続くと眼精疲労になる可能性があります。
チェック5~8あてはまる方
要注意です!
目に疲れを感じることが多いようです。早めにケアをして疲れを解消した方がいいかもしれません。
チェック9~16あてはまる方
危険な状態です
目が大変疲れているかもしれません。目を休ませたりアイケアをすることをおすすめします。
眼精疲労の主な症状
目の症状
- 目が重い
- 目が痛い
- 目がかすむ
- 目が乾く
- 目が充血する
- まぶたがピクピクする
- まばたきが多くなるなど
全身の症状
- 頭痛
- 首や肩のコリ
- イライラ感
- 吐き気など
眼精疲労の原因
眼精疲労の原因は一つでなく、様々な要因が絡み合って起こると言われています。考えられている原因には、大きく分けて3つあります。
- 目の異常
- 作業環境
- 全身の異常
目の異常が眼精疲労の原因
見えづらいのに無理して見ようとすることで目の筋肉に疲労が起こります。例えば遠視、乱視、近視、老眼に適正に矯正されていない。度の合わないメガネやコンタクトレンズを使っていると無理にピントを合わせようとして毛様体筋に負担がかかります。
ドライアイは、涙の量が少なくなったり涙の流れが悪くなったりして目が乾くと目の表面を保護する涙の層が均等でなくありものがはっきり見えにくくなります。
作業環境が眼精疲労の原因
パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を多く使用することは目の疲れにつながります。画面を近距離でずっと見続けていることは、目の周りの筋肉が緊張している状態になり、疲れや目がしょぼしょぼするなど違和感を感じたりするのです。
パソコン作業は、近距離の作業です。この作業が長期間続くことで目がその状況に適応してしまい近視が進行することもあります。
全身の異常が眼精疲労の原因
全身の健康に問題があると目にかかる負担に耐える力が足りなくなってしまいます。
生体のリズムの変調を起こす夜勤や海外出張で眼精疲労を引き起こします。
風邪やインフルエンザ、更年期障害、自律神経失調症、虫歯や歯周病、耳や鼻の病気などで眼精疲労になることが多く、その他の病気も眼精疲労を引き起こします。
ストレスが強くなるとその影響で不安感が異常に強まりイライラして落ち着かない、眠れないと言った精神的なことに現れる一方で身体に対しても高血圧、血行不良、胃潰瘍といった多様な病気を引き起こします。その一つとして眼精疲労を引き起こします。
目のピントを合わせる毛様体筋を酷使すると目が疲れる
ものを見るとき、目の水晶体という部分の厚みが変化してピントが調節されます。水晶体の厚みを変化せる体の周りにある毛様体筋(もうようたいきん)と呼ばれる筋肉です。
遠くを見るときは、毛様体筋の緊張がゆるみます。反対にパソコンなど近くの物を見るときには、毛様体筋は緊張します。スマートフォンなどパソコンよりも近くの物を見ると毛様体筋がさらに緊張します。
日常生活では、毛様体筋が緩むことが少なく、緊張状態が持続していることが多いため毛様体筋に大きな負担がかかり疲れ目の症状が現れます。
目のピントには、自律神経が関係している
目のピントには、自律神経が深く関係しています。自律神経には、活動時に有意になる交感神経とリラックスすると有意になる副交感神経があります。身体のオンとオフを切り替えるスイッチとして働きます。
遠くを見るときには、交感神経が有意になります。交感神経は、活動しているときに有意になり、目や身体を緊張させるように働きます。反対に近くを見るときには目や身体をリラックスさせる副交感神経が有意になります。交感神経と副交感神経がうまく切り替わることで目のピントを正しく調節できるのです。しかし、現代社会に生きる人々は、自律神経のパランスが崩れやすくなっています。例えば仕事をするときには、交感神経が有意になることが正常ですが、デスクワークでパソコン作業をしていると近くの物を見るため副交感神経が有意になります。このような自律神経のバランスが崩れた状態が長く続くことで眼精疲労になります。
眼精疲労を抑えるための正しいパソコンの使い方と対処法
眼精疲労を抑えるためには、正しいパソコンの使い方と対処方法を身に付ける必要があります。眼精疲労を起こりにくくして眼精疲労を解消させましょう。パソコンを使うときには、次の3つのポイントを押さえましょう。
パソコンと適切な距離を保つ
パソコンと適切な距離を保つことで目の疲れを抑えられます。顔とモニターまでの距離が約50~70㎝が理想です。また椅子の背もたれで背中を支え、足を床に付けましょう。ひじ掛けやデスクに手を自然に置いて不要な力を入れずにキーボードを打ちます。
パソコンの使用時間
正しい姿勢やモニターとの距離を保っていても長時間同じ姿勢でいると全身に負担がかかります。そのため1時間ごとに約10分の休息をとることが大切です。パソコンを見るのではなく完全にパソコンから離れてリラックスしましょう。
パソコンモニターの明るさを調節する
明るすぎたり暗すぎたりするモニターは疲れ目の原因です。丁度いい明るさに調節しましょう。また窓から入る光がモニターに映らないようにブラインドで遮光しましょう。明るさを微調整したい時には、モニター用のフィルターを付けるといいでしょう。
医療機関での受診をおすすめする場合(眼精疲労)
症状が重かったり長引いたりする場合は、眼科を受信しましょう。緑内障、白内障などの目の病気が隠れている場合があります。
脳神経疾患など全身の病気が原因になっている場合もあるので疑われる場合は、専門医を受信しましょう。
近視や老眼で見えづらくなったメガネやコンタクトレンズの度があっていないと思われる場合は、眼科で検査を受け適切に矯正しましょう。
眼精疲労のセルフケア
まばたきを意識し休息をとる。目を休めることが一番です。まばたきをすると目の周りの筋肉がストレッチされるので、ドライアイ予防にもなるので意識的にまばたきをしましょう。仕事で長時間のパソコン作業など集中して文字や画像をおう作業が続く場合は、1時間に10分程度の休息をとって目を休めると良いでしょう。難しい場合は、コピーを取りに行ったりシュレッダーに掛けるなどの目に負担をかけない作業をすることがおすすめです。
遠くを見てみましょう
目の周りの筋肉をほぐす動きやストレッチをすることで疲れ目の改善やリフレッシュにつながります。遠くをぼんやり眺めることは目の緊張を和らげます。近くを見ると緊張して凝り固まってしまい疲れ目の原因になります。遠くを見ることは毛様体筋が緩むことになるので目の筋肉のリラックスになります。
蒸しタオルやホットアイマスクで目をリフレッシュ
寝る前などには水にぬらしたタオルをしっかり絞って電子レンジで約40秒(600W)加熱した蒸しタオルで目を温める方がおすすめです。温めることで血行が良くなり筋肉の緊張がほぐれ、リラックスできます。市販のホットアイマスクなら携帯にも便利です。目の周りには、交感神経から副交感神経に切り替わるスイッチがあるので温めることでリラックスした状態にもなります。
疲れ目をほぐす目の体操
目の体操は、目の筋肉を刺激して疲れをほぐします。但し、やりすぎは禁物です。心地寄りと感じる程度にしておきましょう。
目をぎゅーと強く閉じたり、パチパチまばたきをしたり、目の上に軽く手のひらをかぶせるという動きも目の疲れにお勧めです。
目のツボマッサージ
目の周りには、たくさんのツボがあります。指で押した時に周囲よりも少しへこみ押すとやや痛みを感じるのがツボです。人によって位置が異なるので指で探りながら見つけましょう。目のかすみに効く太陽、目の奥が痛んだりかすんだりする時に効く睛明、目の疲労感や痛みに効く攅竹等のツボを指の腹で皮膚から手を離さないようにして10秒ほど押すのを2~3クール繰り返して押してください。
目に良い食事を心がける
ビタミンA・B・C・D・E DHA アントシアニン ルテイン
目に良いとされる食品(栄養素)はたくさんありますが、それだけをとればよいと言うわけではありません。主食、副菜、主菜、乳製品、果物の5つのジャンルをバランスよくとることを基本としその上で目に良いとされる食品を参考にしてとっていくというのが良いです。
参考HP